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私の心の限界が私の世界の限界である

覚悟と未来:アイマス9thツアー東京2daysを終えて

ブロマガの投稿画面を開いたまま、キーボードを打つ手を止めたまま、何を書いたら良いものだろうかと長い時間途方に暮れて、やっと今書き出している。

何が書きたいのかわからないわけではない。書きたいことが多すぎてまとまらない上に、あの2日間、東京体育館で見た光景と歌声と言葉が頭の中でぐるぐると渦を巻いて、止まらなかったのだ。ようやくその回転数が緩やかになって、気持ちが落ち着いた。

あの空間を思い出すたびに思うのは、新しく入ってきた人にも、昔からプロデューサーであった人にも、等しくあのライブでぶつけられたのは「覚悟」なんじゃないだろうかということ。
これまで築き上げてきたアイドルマスターという世界を共に分かち、これから前に進んでいく覚悟。
後輩のアイドル達に「私達はここまできた、みんなもここまで来てごらん」とでも言っているような、それはある意味絶望的でもある覚悟。
ひょっとしたらプロデューサーでさえも置き去りにして突っ走っていきそうな、そんな勢いのある覚悟。

9年目にして初めて「私はアイドル」と高らかに歌う春香の。
ポリシーは変えないよ、むしろもっとすごくなるよ、とタオルを振り回す真美の。
宝石よりもっと輝くんだからね!と笑顔で宣言する亜美の。
格好良さだけじゃない、優しく「立ち止まってたらアルバムはめくれない」と歌う真の。
銀河を超えて新たな一歩を踏み出す雪歩の。
真実の赤も、真っ白なシチューも、初恋の淡い桜色も、全部完璧に表現する響の。
可愛さも儚さも、存在のすべてをパフォーマンスにこめて歌う伊織の。
ますますその妖艶さを増して自らの道を進む貴音の。
アイドルみんなを包み込む小鳥さんの。
彼女たちの強大な壁として立ちはだかる玲音の。
その場にはいなかったけど、歌い継がれる曲から伝わる、美希の、あずささんの、やよいの、律子の。


そして、千早。

「Blue Symphony」で彼女が叫んだ、「恵美、志保、琴葉!新しい翼をありがとう!」と
いう言葉。
紛れもなくミリオンライブは千早にとって新しい翼だ。
「蒼い鳥」で翼をもがれ、「眠り姫」で目覚め、「約束」で過去と和解した千早は「Blue Symphony」で ”あなたから貰った全部を 可能性にしよう 負けない翼 証明するの” と強さを増した新しい翼を手に入れた。その強さの一つがFate of the World」で自らの激情を解放し、ステージを駆け回り、踊り、歌ったことに見えるのではないだろうか。
これからの千早に何があるかはわからないし、千早自身知っているはずがない。 ”明日がどんな日になるか 誰だって解らないけれど” それでも彼女は歌い続ける。
あの2日目の「約束」のときのように、涙で歌えなくなっても、隣には仲間がいる。もう今までのような孤独で、頑なで、誰にも本当の心を見せない彼女ではない。僕があの2日間で見たのは、この先何があったとしても、覚悟を持ってこれから力強く進んでいこうとする千早だ、そう思う。
だって、彼女は「細氷」で歌っているじゃないか。

”私 もがきながら歩き出すの”

と。

その覚悟に、僕は精一杯のプロデュースで応えなければならない。あるいはこれは枷かもしれない。業かもしれない。でもそれでいいのだ。こんなに楽しくてこんなに恐ろしいもの、捨てるなんてもったいない。千早と一緒に行こうじゃないか。どこまでも。

今、僕は苦笑いを浮かべながらこの文章を書いている。
アイドルマスターってなんて怖いものなんだ。なんて残酷で、なんて強欲で、そして、彼女たちをプロデュースするっていうことは、なんて幸せなことなんだ、と苦笑いしている。そういうの、嫌いじゃないんだ。むしろ大好きなんだよ。あの2日間で感じた鳥肌は、たぶんそういう武者震いにも似た何かだ。
未来へ、行こうじゃないか。シンデレラも、ミリオンも、ディアリースターズも、魔王エンジェルも、そしてsideMも、あの世界の中にいるアイドルのみんながいろんな色で輝く未来を、この目で見てみたい。

だから、この2日間を締めくくるには「虹色ミラクル」がぴったりなんだ。

”この右手に憧れを そう左に情熱を
握りしめ また駆け出そう
初めて会う未来へ”


じゃあまた、次の未来に。